アロマセラピーの起源は、紀元前3000年頃の
古代エジプト文明にまでさかのぼると言われています。
治療や癒しを目的に、香りは昔から人の暮らしと深く結びついてきました。
現代では精油の薬理作用について科学的な研究も進み、
欧米では医療の現場で使われることもあります。
とくにフランスでは、アロマセラピストを名乗れるのは医師のみとされ、
専門的なケアとして扱われています。
1. アロマセラピーとは
アロマセラピーは、植物などから抽出された香り成分である
「精油(エッセンシャルオイル)」を用いた自然療法です。
「芳香療法」とも呼ばれ、精油の香りを嗅覚から取り入れることで、
心や身体のバランスを整え、リラックスを促します。

2. 芳香成分とタッチングによる主な効果
・血行を促進する
タッチングや芳香成分の刺激によって血管が拡張し、
血流やリンパの流れが促進されます。
新鮮な血液や栄養が全身に行き渡り、
老廃物や疲労物質の排出を助け、新陳代謝を高めます。
・筋肉や関節をやわらかくする
血行がよくなることで筋肉がやわらぎ、柔軟性が高まります。
その結果、関節の可動域が広がり、ケガの予防にもつながります。
・デトックスを促す
老廃物の排出を助けることで、
体内に余分なものを溜めこみにくくなります。
代謝が整うことで、太りにくく、
透明感のある健やかな肌へと導かれます。
・内側から整える
自律神経や内分泌系に働きかけ、
内臓機能やホルモンバランスをサポートします。
免疫力も高まるため、
ストレスに強い状態をつくります。
・肌の潤いと弾力を高める
有効成分が皮膚から浸透し、
細胞へと届くことで、潤いやハリのある肌へと導きます。
・心を癒す
皮膚は脳神経とつながる終末器官です。
タッチングや香りは、神経を通じて脳に届き、心にも深く作用します。
神経のバランスを整えることで、心の落ち着きや疲労感をやわらげてくれます。

3. 香りだけではない、精油の「波動」の働き
アロマセラピーの働きは、香りだけにとどまりません。
それぞれの精油が持つ「波動」も、
私たちに大きな影響を与えていると考えられています。
人間の感覚器(耳・目・鼻)は、
光や音、香りなど、さまざまな波動をキャッチする精巧な受信機です。
たとえば目は光の波動を「色」として、
耳は音の波動を「音楽」や「声」として、
鼻は香りの分子が持つ微細な振動=波動を
「匂い」として感知しています。
私たちは常に、無数の波動に囲まれて暮らしているのです。
たとえば、山の中を歩いたときや、海辺を通ったとき。
空気や香りに包まれ、ふっと心が軽くなったように感じたことはありませんか?
あの瞬間、私たちは香りとともに、その場の波動をキャッチしているのです。