繰り返すぎっくり腰の背景にあったもの 〜陽蹻脈からみえた「走り続ける日々」〜

ケース・レポート

こんにちは、tete la(テテラ)です。

急な腰の痛みをきっかけに、こちらへ
ご相談にいらっしゃることがあります。

いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる状態です。

もちろん、急性の痛みに対しては、
その場の痛みや動きづらさを
軽減させるための施術が必要になります。

一方で、同じような症状を何度も繰り返している場合、
その背景には単なる筋肉や関節の問題だけではない要素として
今の生活や心身の状態などが隠れていることがあります。

今回は、ぎっくり腰をきっかけに、
ご自身の状態との向き合い方が見えてきたケースをご紹介します。

※掲載にあたり内容は一部変更・編集しています。

ご相談内容

30代後半・男性

物を拾おうとして前かがみになった瞬間、
腰に強い痛みが走りました。

いわゆる「ぎっくり腰」の状態です。

痛みは腰の中央付近に集中し、
身体を動かすたびにぎくしゃくとした動きになります。

座ることもつらく、靴下を脱ぐことさえ困難な状態で、
かなりお疲れのご様子でお越しくださいました。

繰り返されていた腰痛

カウンセリングでまず伺ったのは、
これまでにも同じような腰痛を何度か繰り返しているということでした。

今回だけの出来事ではなく、
以前から続いているパターンだったのです。

さらに詳しくお話を伺うと、
腰を痛める直前の生活はかなり過酷な状況でした。

仕事では大きな責任とプレッシャーを抱えながら
長時間勤務が続き、家庭環境にも大きな変化が重なっていました。

休みたい気持ちはあっても、立ち止まることが難しい。

そんな状況の中で毎日を過ごしていたようです。

からだからの反応

施術前の触診では、とても印象的な反応がありました。

お客さまは触れられることに対して非常に敏感で、
わずかな刺激にも身体が反応します。

全身が常に緊張状態にあり、
触診中も小さく身体が反射的に動いてしまうほどでした。

また、背中の中央から上部にかけて強い緊張がみられ、
スマートフォンを持つと右手にも違和感があるとのこと。

腰だけではなく、首から背中全体に大きな負担がかかっている状態でした。

身体をみていると、
今の生活そのものに圧倒されているような印象を受けました。

本来であれば十分な休息が必要な状態。

しかし、現実にはその時間を確保することが難しかったのでしょう。

陽蹻脈を選択した理由

急性腰痛では、まず局所の循環を促し、
筋肉の過度な緊張を緩める施術を行います。

今回も腰周囲への施術を行いましたが、
それと並行して奇経八脈のひとつである「陽蹻脈」を用いました。

陽蹻脈は、
その人が現在どのような環境の中に身を置き、
どのようにその環境と関わっているのかを映し出す脈です。

カウンセリングと触診を通して見えてきたのは、
常に外へ意識を向け、走り続けなければならない状態でした。

仕事。
家庭。
責任。
やるべきこと。

さまざまな課題に向き合いながら、
気づけば自分自身の状態を後回しにしていたように見受けられました。

お話しする中で、

「休んでる場合じゃないんです」

と、何度も口にされていました。

また、
「ロキソニン飲んでいれば、なんとかなっていたので」

ともお話しくださいました。

その言葉からは、
不調を感じながらも立ち止まることなく、
目の前のことを優先し続けてきた様子がうかがえました。

陽蹻脈は、
こうした「外側へ向かう力」が過剰になっているとき、
その状態を明確に映し出します。

背中全体の強い緊張も、
陽蹻脈の表れだったのでしょう。

本来であれば、
その変化を受け取ることで
休息や調整が必要だったのかもしれません。

しかし現実には立ち止まることが難しく、
結果として身体が痛みという形でブレーキをかけたようにも見えました。

施術では腰部の循環改善に加え、
陽蹻脈を通して過剰な緊張を緩め、
気血の流れを整えながら全身のバランス回復を図りました。

また、跗陽、至陽、膏肓、風府、百会などの経穴を用い、
経絡の流れや神経系の調整を行いました。

1週間後

1週間後に再びいらっしゃった際には、
腰の痛みは大幅に軽減していました。

まだわずかな緊張やこわばりは残っていましたが、
初回と比べると表情にも余裕が見られました。

首から背中上部の緊張をさらに緩めるため、
風池を加えて施術を行いました。

風池は首肩周囲の緊張緩和だけでなく、
変化や環境の影響によって乱れた状態を整える際にもよく用いる経穴です。

痛みは結果として現れることがある

ぎっくり腰は、物を拾うという動作をきっかけに起こりました。

しかし、原因はその瞬間だけではありません。

長く続いた疲労。

休息不足。

積み重なったストレス。

気づかないうちに続いていた緊張。

そうしたものが少しずつ蓄積し、
ある日、痛みという形で現れることがあります。

特に同じ症状を繰り返している場合には、
痛みだけを見るのではなく、
その背景にあるパターンを見直していくことも大切です。

おわりに

施術後、お客さまはご自身が思っていた以上に
緊張状態の中で生活していたことに気づき始めていました。

すぐに環境を変えることは難しいかもしれません。

けれど、
自分がどのような状態で日々を過ごしているのかを知ることはできます。

働き盛りの世代は、「動くこと」が求められる場面も多くあります。

ですが、
動くことと同じくらい、
立ち止まることも大切です。

からだは時々、痛みや違和感という形で変化を知らせてきます。

その痛みや違和感を無視せず、
立ち止まって受け取ること。

そして、自分が今どのような状態で
日々を過ごしているのかに気づくこと。

それが、
繰り返す不調を防ぐ第一歩になるのかもしれません。

■ 鍼+アロマセラピー tete la JAPAN ■
人には、本来、自らを整える力が備わっています。

tete laでは、その力を穏やかに引き出すために、
鍼灸・アロマ・カウンセリングを組み合わせ、
心とからだの状態を丁寧に見つめながらサポートしています。

日々の中で、自分らしいリズムを取り戻す時間を。

青山一丁目(南青山エリア)を拠点に施術を行っています。

広島県福山市では
月に一度、数日間の施術日を設けています。

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