衝脈の5つの流注

EIGHT EXTRAORDINARY VESSELS

こんにちは。tete la です。

『PSYCHO-EMOTIONAL PAIN and the EIGHT EXTRAORDINARY VESSELS』
by Yvonne R. Farrell の要約。

第一部の第3章 続き。
自分メモシリーズ。


5つの流注は、衝脈の機能にそれぞれ独自の働きを担っています。
3つは上向きの性質を持ち、2つは下向きの性質を持っています。

上向きの流れは、先天の精を神(shen)に運び、
血によって、思考と感情の機能を意識にもたらす方法を表します。

下向きの流れは私たちを地球に接地(グランディング)させ、
脾と胃の出生後の機能を助けます。

これらの下向きの流れは、衝脈の精神的な向上の支えをつくります。
それらは私たちが生まれてからの成長していくシステムをサポートしています。

一般的に、衝脈を治療する場合、
特定の治療では1つまたは2つの経路を使用します。

第一の経路

経穴:曲骨(Ren-2)、横骨(Ki-11)、気衝(St-30)、衝門(Sp-12)、大赫(Ki-12) 、
幽門(Ki-21)に抜ける。

これが衝脈の第一の経路です。
心と子宮を接続します(上半身と下半身のmansion of blood)。

下焦(女性は子宮)で始まり、恥骨まで下降し、
そこで出現して気衝(St-30)と衝門(Sp-12)に広がります。
ここで正中線に戻り、体の中心を(腎経に沿って)上昇して
横隔膜で終わり、胸で広がります。

この経路では、先天の気と後天の気をリンクできないことに関連する問題が見られます。
これは、ほとんどの場合、腎陽が脾気をサポートできないこととして現れます。

精(jing)の最初の周期でのバース・トラウマ、深刻な病気、または食事の問題は、
この経路の病理の根本的な病因である可能性があります。

これは、その子が出生前から出生後の存在に移行した瞬間からの病気
または苦しみと見なされる可能性があります。

その子は成長障害に苦しむかもしれませんし、
成長するにつれて現れる典型的な発達の兆しをたどっていけないかもしれません。

成人において、人生をうまく進めるのが困難な人々は、
生まれた時からもしくは幼少期からなこともしばしばあります。

これは、生理学的または感情的な欲求が満たされていないことが原因である可能性があります。
子供たちは、精の最初の周期に出生後の機能の発達と構築に多く費やします。

先天の気が強い子の場合、その発達に対する助けとなります。
しかし、出産時に問題がある場合、これは先天の気と後天の気の間の移行を妨げます。

出生後、授乳の問題や既製の調合乳の消化の問題によって乳児の栄養が満たされない場合、
後天の気を構築する能力が損なわれます。
離乳のプロセスが困難な場合、
または子供が固形食の導入によって食物過敏症またはアレルギーを発症した場合、
それはしばしば後年に「土(脾および胃)」の機能の弱さを示します。

この病状の成人は、以下を含む多くの消化器系の問題を呈する可能性があります:

・同化反応障害(代謝異常の一種)
・慢性的な下痢または便秘
・食物滞留
・食物アレルギー
・乳糖不耐症のような食物不耐症
・セリアック病(グルテンに対する不耐症)
・リーキーガット症候群(腸壁バリアが壊れる)

これらの患者は、感情的な観点からも、人生をうまく進められないことを示すかもしれません。
彼らは、感情にまかせて食事をしたり、慢性疲労、慢性うつ病、または新しいアイデアを追求したり、
現在の経験に関連性をもたらすことができないことに苦しむ可能性があります。

これらの患者はしばしば、車輪の中を走っているハムスターのようなものです。
彼らは疲れ果てていますが、走り続けます。
彼らは車輪から降りるためにしっかりと考えることができないからです。

彼らは気を構築して移送する能力が損なわれているのです。
それは、彼らが変更するのに十分な元気を持っていないことを意味します。

第二の経路

経穴:歩廊(Ki-22)から兪府(Ki-27)、天突(Ren-22)、廉泉(Ren-23)、承泣(St-1)

この経路は、任脈の流注と見なされることがよくあります。
この経路により、胸と顔の領域で、精(jing)は他のすべての液体/体液に接続できます。

この経路では、「体液の起源」として出生後の胃が透明な体液を供給し、
それが胸に上昇し、口の周りから承泣(St-1)のある目まで任脈の経路をたどります。

血液や体液を顔に運び、感覚器の開口部に栄養を与えます。
この経路は、感覚器の開口部の明瞭さに対応しています。

感覚器の開口部に栄養を与える血液と透明な液体を頭まで送る能力が不足している場合、
それらの入り口を介して情報を受け取る能力が損なわれる可能性があります。

めまいや立ちくらみを起こしやすい場合や、
外界からの情報の入り方に影響を与える透明な体液の不足により、
知覚が困難な場合があります。

胸部への繋ぎ目は、
脾の大絡(大包/Sp-21)、
胃の大絡(虚里/Empty Mile)、
および任脈(鳩尾/Ren-15)を接続し、
胸部の血流の管理を可能にします。

胸部の腎の兪穴(歩廊/Ki-22から兪府/Ki-27)は、
精、血、津液という陰の資源(体液)を集めて仲介します。

歩廊(Ki-22)から彧中(Ki-26)までの5つ腎の兪穴のそれぞれは、
五行に関わり、尚且つ五精を介し神へ接続します。

兪府(Ki-27)は、他の5つの調和またはバランスをとるマスターポイントです。

この経路が閉塞すると、胸部の瘀血と気逆につながり、次のような結果になります。

・不安発作とパニック発作
・奔豚気(ほんとんき)/内的緊急性 
・嘔吐
・胸痛
 ※奔豚気:お臍の辺りからドキドキが駆け上がってきて、咽を通り過ぎ、 
      最後に顔がカーと熱くなること。
      この症状は、正常なら上から下へ流れるべき「気」が
      瞬間的に逆流することによって起こるといわれている。

これらの患者は自分が誰であるかを忘れているかもしれません。
彼らは自分自身の心とのつながりを失っています。

彼らの精神(spirits)は栄養を欠いているので、
「自分が必要とするすべてのものは自分で利用可能である」という場所で
生きることへ力付ける深い部分での自己意識を失っています。

2番目の経路は、心腎間の接続も強化します。
このつながりが損なわれていない場合、
人々は自分の経験に意味を見いだすことができます。

衝脈が心と腎の関係を維持していると、
私たちが経験するどんな挑戦、トラウマ、病気でも、
私たちが成長し、私たちがより大きくなるのを助ける糧として理解されるかもしれません。

それは私たちの進む道すじ(精/jing)を神(shen)の光へ導き、
私たちの人生が意味と目的を持つようにします。

このレベルでは、患者は意志を失って運命に横たわるのではなく、
心で自分の運命をはっきりと追求することができます。

このつながりがないと、意味や目的が失われ、
成長に役立たない情熱や欲求を追求する傾向があります。

自分の欲望に無謀であり、その欲望が実現したとしても満足しません。
何かを成し遂げ、その達成に直面したとき、空虚さを感じます。

なぜなら、そのときに望んでいたことは、
心と腎、本質と血という健全な関係に基づいていなかったからです。

それは意味がなく、最終的にはここにいるという
私たちの目的とは何の関係もないものです。

第三の経路

経穴:曲骨/Ren-2、気衝/St-30、帯脈/GB-26、長強/Du-1(命門/Du-4)、膈兪/UB-17

先に述べたように、衝脈は元陰と元陽を産み出す源の経絡です。
2番目の経路では、元陰の表現するものが見られ、
3番目の経路では、元陰とのつながりが見られます。

衝脈は陽の原動力として働き、その力を使って血を動かし、すべてを所定の位置に保持します。

衝脈は、帯脈の経路(命門/Du-4から始まり腰を囲む)を使って督脈にアクセスします。
この経路は認知と記憶に影響を与えます。

これは、血が脳と心に流れることを保証し、
髄海(脳と脊髄)を支配する督脈の機能をサポートすることによって行います。

この経路が妨げられると活力が衰えているような感覚があります。
ある人が命門の火と陽の原動力を失うとき、
意志の喪失、無関心、そして明確な思考の能力を失います。

血海が脳と心に栄養を与えることができないため、記憶が影響を受けます。
認知機能の喪失に関連する老年性認知症、健忘症
または失語症のような状態はここでみることができます。

生理学的には、うっ血による痛みが下焦、関節、脊椎に影響を与えることがあります。

また、陽が失われると、変換や輸送のための火がないため、
気が沈んだり、湿(しつ)になることがあります。

督脈の支脈から来る陽の原動力の喪失は、
私たちがここにいるという目的を全く気にしないことを意味します。

衝脈の資源によって私たちに与えられた運命を追求するために、
私たちが人生の意味を追求しなければならなかった行脚は、
古い炉の種火のように衰えています。

第四の経路

経穴:横骨/Ki-11、陰谷/Ki-10、委中/UB-40、照海/Ki-6 から 太渓/Ki-3、Kidney Prime

4番目の経路は鼠径部から脚に向かって下降し、蹻脈との強いつながりがあります。
この経路は、人々が地球とのつながりを感じ、容易に身動きができるようにします。

この経路は足の骨に精(jing)をもたらします。
姿勢の調整は足から始まるため、この経路は姿勢をサポートします。
そして、脾に陽をもたらします。

この経路の不均衡は、子供が歩き始めるときに影響を与えます。
歩き出しの第一歩が早すぎたり遅すぎたりする可能性があります。

あまりにも早く歩き始めると、
座ったり這ったりすることで、脳が発達するのに十分な時間がないため、
神経機能が未発達になる可能性があります。

歩き出しがあまりにも遅すぎると、
他の形態の発達も遅れる可能性があります。

また、体重が増えると、
その体重を支えるバランスと強さを身につけることが難しくなる可能性があるため、
その後、歩くことを学ぶのに苦労することもあります。

この経路の健康とは、
脳の構造が体重を支える準備ができたときに歩行が始まることを意味します。
(直立歩行は督脈にも関連しています。)

成人では、特に脚の弱さや地面との接触不良に関連する姿勢の問題が見られることがあります。
これはまた、精神的感情的処理の不安定性として現れる可能性があります。

精神的感情的処理が安定するためには、
人は地に足がついていなければなりません。

安定性または地に足をつけることは、
衝脈を通じて3つの形態で提供されます。

一つ目は腎との関係です。
衝脈のこの経路は、足の裏のKD-primeまで走行しています。
それゆえ、足が地面に触れていることを感じることによって、
グラウンディングしているかを表します。

衝脈がグラウンディングを助ける二つ目の方法は、
土(脾と胃)通して行い、
三つ目は血を通して行います。

土は体の中心の動きを支配することによって安定性を提供します。
中心が安定しているほど、感情的な生活は安定しています。

中心が塞がっていたり弱すぎたりすると、
経験を処理する能力が損なわれ、
落ち着いて物事を進める能力が影響を受けます。

血に関しては、
血が提供する安定性はボートのバラスト
(バランスを取るための重量調節の重し)のようなものです。

それは心の物質的な基礎を提供する陰の密な形です。
したがって、血が十分で循環している場合、
血はボートメーカーが荒れた海でボートをしっかり浮かべて
安定させるために使用する重り(バラスト)のような安定性を提供します。

この経路の下向きまたはグラウンディングの性質により、
気の流れを下向きに向け直し、安定性を回復させることで、
喘息およびいくつかの消化器系の問題を治療することもできます。

第五の経路

経穴:気衝/St-30、足三里/St-36、上巨虚/St-37、下巨虚/St-39、衝陽/St-42、大敦/Lv-1、隠白/Sp-1

5番目の経路は、脾気と肝血との関係をサポートします。
胃、大腸、小腸の下合穴(足三里/St-36、上巨虚/St-37、下巨虚/St-39)はこの経路上にあるため、
この経路は私たちがどのように同化するか、
また、どのように濁りからくっきりと分離するかに影響を与えると簡単に言えます。

この経路は、脾の昇清と運化作用に影響を与えます。
脾がうまく機能しているとき、肝によって蓄えられる血の生成を開始します。
脾気と肝血が十分である場合、それらは腎陰をサポートします。 

私たちは人生の道すじをサポートするやり方で人生を進めているでしょうか?

この経路は、先天の資源を維持および保護するために必要な
健康的なライフスタイルの選択をサポートするのに役立ちます。

それは、私たちが人生の旅のために与えられた先天の資源(腎陰)を
使い果たす必要性を回避するのに十分な後天の資源(気と血)を生成するのに役立ちます。

この経路の治療から恩恵を受ける患者は、
通常、広範囲の消化器系疾患を患っていますが、
何らかの形で生きていくことが困難になっています。

彼らの肉体的不満は、感情的なストレスによって悪化します。
患者がプレッシャー下にいるか、圧倒されていると感じると、
肝気が停滞し、脾が適切に機能する能力が妨げられます。

経路を下るにつれて、
患者の人生で起こることが彼らにとってあまりにも多くなってしまうと、
時にあなたは患者が「彼らの足場を失う」のを目の当たりにするでしょう。

彼らはバラストとして十分な血を生成することができないので、
感情的な観点から容易に打撃を与えられてしまいます。

この経路は、どこに行き、何をすべきかを教えてほしい患者にしばしば影響を及ぼします。

彼らは自分で決定を下すのに十分な根拠がなく、
他の誰かに決定してもらうことで安定感が生まれ、
ストレスレベルが低下します。

つまり、決定を下す人を信頼すると推測されます。

最終的に、衝脈は先天の気と後天の気の架け橋です。
それはすべての経絡の源であり、私たちの核となる存在が存在する場所です。

衝脈は私たちを私たちの家系とつなぎます。
それはある意味で固定とサポートであり、
もう一方の意味では
私たちが取り組むためにそこにある世代で抱えている経験や思想の倉庫でもあります。

とにかく、
それは私たちが誰であるかを思い出すことができる場所です。
スピリット、光、愛、完全なるもの。

衝脈の生理的影響

衝脈の病状と一致する一般的な状態がいくつかあります。
身体と心は一つであることがわかっているため、
衝脈に関連する人生の道すじに問題がある場合は、その病状の物理的な症状が現れます。

衝脈によって治療される一般的な状態
・血虚、血滞(瘀血)、血熱および腎虚に関連する婦人科の問題
・三宝(精、気、神)、腎、脾胃、心に影響を与えるすべての状態。
・気逆:足が冷たくて顔が熱く、体幹の膨満感、/内的緊急性、奔豚気(ほんとんき)
・喉や胸のつまり(梅核気、甲状腺の問題、嚢胞性乳房)
・毛髪の発育不足:男性のひげ、女性の頭髪。
 また、女性における過度の顔毛(多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に関連することが多い)。
・「九つの心痛」:不整脈、不安感および動悸。
・悪阻(つわり)または過敏性腸症候群。
・気逆または痰湿による喘息。
・足の萎縮。
★鍼(はり)とアロマテラピー tete la Tokyo JAPAN★

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