内なる自分と向き合う ―― 東洋医学からの示唆

東洋医学

こんにちは tete laです。

『病』と『自分』を見つめるということ

「病」と聞くと、多くの人は「闘う」姿勢を思い浮かべます。

「病に打ち勝つ」「闘病生活」といった言葉のように、
戦うイメージが根強くありますよね。

けれども、本来からだには、
「悪性」や「異常」とされた細胞を
再び「正常」へと戻そうとする仕組みが備わっています。

ときには
「病と戦う」のではなく、
「病と向き合う」という視点も
大切なのではないでしょうか。

肺の役割 ―― 不調を映し出す鏡

病名の有無にかかわらず、
五臓六腑の中で
「自分自身を隅々まで見渡し、不調和の原因を明らかにする」
役割を担うのが【肺】です。

医師や第三者から病名を与えられることはありますが、
本来は自分の不調を感知し、自己診断する力が肺に備わっています。

肺の「鏡」は【皮膚】。
外と内を隔て、常に外界と接触するセンサーのような存在です。

皮膚は善悪の判断=モラルにも関わります。
罪悪感を生み出すのも肺であり、
それを「赦す」力を持つのもまた肺。

東洋医学では、
この「赦す」という行為も肺のはたらきとされています。

不調和は「自分を変えるきっかけ」なのか?


「なぜ、この症状や病気をからだは作り出しているのか?」

不調和は「自分を変えるきっかけ」と言われることがあります。

ただし、必ずしもすべてがそうではありません。

問題は確かに内側で起こっていますが、
その根っこには
「自分のものだ」と思い込んでしまっている何か
が潜んでいることもあります。

つまり、
自分ではないものが自分の顔をして
すり替わっている可能性があるのです。


東洋医学では、
それぞれの臓腑の弱りが心身に影響すると考えます。

• 肺が弱ると、状況を正しく把握できない
• 脾が弱ると、境界線があいまいになり、他者に流されやすい
• 肝が滞ると、頑固になり、変化を拒む
• 腎が弱ると、恐れが先走り、意志が保てない

五臓六腑が健やかに働いてこそ、
人は自然治癒力を最大限に発揮できるのです。

情報社会と「肺」のキャパシティ

私たちは食べ物だけでなく、
感情や思考からも日々「情報」を体に送り込んでいます。

その情報をもとに、
体は機能を組み立て、
正常な状態を保とうとしています。

けれども、中には「偽の情報」も混ざっています。

知らぬ間に偽物が本物にすり替わり、
無意識のパターンとなることもあります。

現代社会では本物も偽物も入り混じり、
私たちはかつてないほど多様な情報にさらされています。

その第一関門となるセンサー【肺】は、
キャパオーバーになりやすいのです。

五臓六腑のはたらきだけに任せていては、追いつかないこともあります。

だからこそ、現代を生き抜くために必要なのは――

「本物」と「偽物」を見極める力。

ほんとうの自分に還るために

そのためにはまず、
自分の「オリジナル」を知ること。

内面を見つめ直すことが、
自分が「自分」として生き始めるスタート地点になります。

「自分」と「自分ではないもの」を分ける。

そこから、ほんとうの自分が始まるのです。

あなたの「肺」は、今キャパオーバーしていませんか?

日々の中で立ち止まり、
自分の内側をていねいに見つめる時間をつくってみてください。

そこから、健やかで自由な生き方が始まります。

関連記事